お知らせ

南アフリカで見つかった「オミクロン株」が蔓延し、第6波が猛威をふるっており、その対策としてワクチンの第3回目の接種がすすんでいます。

PCR検査、ワクチン、治療薬、三密回避、社会的距離、換気などは、政府及び厚生労働省が、強く告知し、何度も何度も繰り返し、ニュース等で流れています。しかし、運動がコロナに勝つには必要不可欠で、継続的に行うことが、最も大切だとの報道や、行政や公的なところから、アナウンスされません。

アメリカやイギリスなどの海外では、免疫力を高め、免疫システムに対する身体不活動や社会的孤立ストレスの悪影響を軽減するために、このCOVID-19パンデミックの間、推奨される運動レベルを維持するよう努めることが不可欠だとの報道がかなり行われています。アメリカ人のための身体活動ガイドラインは、週に150〜300分の中程度から激しい強度の有酸素運動の身体活動と週に2回の筋力トレーニングを推奨しています(Piercy et al、2018)。フィットネスクラブでの安全で効果的なトレーニングを行い、加えてウォーキング、階段の登り、庭の手入れ、家事などのアクティブ身体活動を通じて、屋内または屋外でアクティブな状態を維持することも効果的です。重要なのは、長時間(60分以上)座っていることを避け、1日を通して定期的に身体活動を実行しようとすることです。(Simpson et al、2020)。

最近は、さらにいくつかの研究によって、有酸素運動(心肺フィットネス)や筋トレがコロナウイルスにうち勝つことが示されています。宇宙空間での最新の実験では、心肺フィットネスと骨格筋の持久力のレベルが高い宇宙飛行士は、国際宇宙ステーション(ISS)への6か月のミッション中に、ウイルスを再活性化する可能性が約40%低いことが示されました。

前号でも触れましたが、イギリスの王立医学アカデミーでは、「運動は奇跡の薬」としていて、『Living with COVID-19: ’Exercise is medicine.’』〔COVID-19と共に生きる:「運動はそのための薬です。」〕というメッセージが出され、複数の論文でコロナウイルスによるパンデミック時の疾病負荷の軽減における身体活動(PA)の役割が大きく影響することについて、ほとんど焦点が当てられていないとして、警鐘を鳴らしています。

そのイギリスでは「高リスク」の患者を保護し、ソーシャルディスタンスを実施しているため、患者は身体活動レベルを大幅に低下させるリスクがあります。そのため個人ごとの最大酸素摂取量(VO 2 max)を調査し、COVID-19に対して感染前に患者を「事前調整」するための介入を行い、リスク層別トリアージツールとしての最大酸素摂取量(VO 2 max)をもとにその方の感染リスクを評価することができるとしています。事前に最大酸素摂取量の数値を知ることで、段階的に基礎疾患の高低の目安とし、最大酸素摂取量が低い方=感染リスクや重症化リスクが高い方として対応し、最大酸素摂取量が高くなるに伴い感染リスクや重症化リスクが低いと評価してのその後の対処方法の目安とします。

また「COVID-19と身体活動、ワクチンについて」や「COVID-19とフィットネス・身体活動について」のたくさんの論文が引き続き出されていますので、ご紹介させていただきます。

以下の内容は、前回もご報告しましたが、大切な論文なので、再度掲載しています。

一般集団における免疫系、ワクチン接種および市中感染症のリスクに対する身体活動の影響:系統的レビューおよびメタ分析では、中等度以上の身体活動に定期的に行うことは、市中感染症のリスクを31%の低減、および感染症による死亡リスクの37%の低減することにつながります。(Chastin SFM, et al. 2021;5)

それ以外、前回から新たに出た論文をまとめたものです。

  • 英国は「高リスク」の患者を保護し、社会的距離を実施しているため、患者は身体活動レベルを大幅に低下させるリスクがあります。予め最大酸素摂取量(VO 2 max)を調査し、COVID-19感染前に患者を「事前調整」するための介入を行い、リスク層別トリアージツールとしての最大酸素摂取量(VO 2 max)の役割を評価した。運動プログラムは、身体活動レベルを維持し、体調不良を防ぐために使用でき、VO 2 maxは、COVID-19の発生時に臨床的に関連するトリアージツールとして使用される可能性があると結論付けています。 ( Irfan Ahmed – Clinical Medicine, 2020)
  • COVID-19パンデミックの外出禁止令に関連するストレッサーは、うつ病と不安の増加、および身体活動の減少に関連しています。自然の中で屋外で過ごす身体活動と時間はメンタルヘルスの改善に関連しているとを考えられています。被検者はUS Kaiser Permanente Research Bankに参加し、COVID-19の症状のない2万人の成人に約3か月にわたる3回の追跡調査を実施しました。質問紙によって身体活動を調査し、屋外で過ごした時間との関連を、不安とうつ病のスコアは検証された機器から評価しました。屋外で過ごす時間が少ないほど、うつ病と不安のスコアが高くなることがわかりました。この効果は、高齢者と比較して、若い年齢の参加者の方が大きかった。屋外で過ごす時間が少ないことによる不安への影響(p = 0.012)およびうつ病(p <0.001)スコアは女性より男性の方が小さかった。よって、屋外での身体活動はより良いメンタルヘルスと関連していることを示唆され、人々は緊急事態の間でも、身体活動への参加を継続するように奨励されるべきです。(Young DR et al.2021.)
  • スウェーデンの大規模な症例対照研究です。心肺フィットネス(CRF)と生活習慣がCOVID-19の重症(入院n=547、集中治療n=172、死亡n=138)に与える影響を検討した。CRFが低いこと(OR=0.98, 0.97-0.998)、BMI が高いこと(OR = 1.09, 1.06 -1.12)、ウエスト周囲径が長いこと(OR = 1.04, 1.02-1.06)、喫煙していないこと(OR = 0.60, 0.41-0.89)、ストレスレベルが高いこと(OR = 1.36, 1.001- 1.84)はCOVID-19の重症と関連した。また、CRFは肥満や高血圧による重症リスクを減少させる可能性が示唆された。(Ekblom-Bak E, et al. 2021 Oct )
  • 身体的に活動的な個人は、隔離および閉じ込めの期間中であっても、潜在的なウイルス感染に対してより良い制御を発揮します。最近の研究では、心肺フィットネスと骨格筋の持久力のレベルが高い宇宙飛行士は、国際宇宙ステーション(ISS)への6か月のミッション中に、ウイルスを再活性化する可能性が約40%低いことが示されました。 ISSでフィットネスレベルを維持することができました(Agha et al。、2020)。ウイルスを再活性化した宇宙飛行士でさえ、ウイルスDNAのコピーは、より心肺フィットネスと骨格筋の持久力のレベルが高い宇宙飛行士の方が少なく、そうでない宇宙飛行士よりも伝染性が低いことを示しています。潜在的なウイルスの再活性化は、免疫力の低下の特徴であり、この調査では、ISSへの閉じ込めの結果としての隔離と非活動に関連するストレッサーが原因であると考えられます。
  • 心肺フィットネス(CRF)を使用して、重度のCOVID-19感染のリスクが高い人を特定できることが示唆されている。この研究の目的は、CRFがCOVID-19で陽性または死亡と独立して関連しているかどうかを調べること。CRFはCOVID-19陽性の検査と有意に関連していませんでしたが、CRFが高いこととCOVID-19による死亡リスクの低下との間に有意な量反応関係が観察されました。これは、CRFの高いひとがコロナウイルスを発症した場合にCOVID-19による死亡を防ぐ可能性があることを示唆しています。(Rebecca A G Christensen. 2021. 5.)
  • 運動不足は、太りすぎや心血管疾患の重要なライフスタイル要因と見なされています。私たちは、既存の運動不足と重症コロナウイルス病2019(COVID-19)のリスクとの関連を調査することを目的とした。COVID-19の患者164人のうち、103人(62.8%)が身体的に不活発であると報告されました。単変量ロジスティック回帰分析は、身体的不活動が重度のCOVID-19のリスク増加と関連していることを示しました[未調整オッズ比(OR)6.53、95%信頼区間(CI)1.88–22.62]。多変量回帰分析では、運動不足は、年齢、性別、脳卒中、および太りすぎの調整後、重度のCOVID-19(調整済みOR 4.12、95%CI 1.12–15.14)のリスク増加と有意に関連していた。(Qilin Yuan、et.al、2021.1.)

 

このところのフィットネスクラブでは、9月~12月と復調の兆しがかなり鮮明に出てきています。複数の大手フィットネスクラブの経営者や幹部にヒアリングしたところ、2021年の9月~12月の新規会員の入会は、コロナ前の2019年の同月と比較しても、トントンか2021年の方が多くなっているというクラブが増えてきています。ただし、そこにはひとつ違いがあり、2021年の方が、2019年よりも広告宣伝費を多くかけている(130~150%)との経営者からの声を聞きました。

クラブことに、新たな取組みをしているところも多くなっており、有料パーソナルプログラムに力を入れて、

今までの倍近くの有料プログラムを実施しているところや、入会時のカウンセリングやオープニングサポートを複数回(4回~8回)行い、少ない入会者でも確実に継続していただく取り組みをしています。

また、フィットネスクラブの関係者が声をそろえて言っているのは、とにかく、クラブに来てもらうこと、足を運んでくれることに注力している、今までフィットネスになじみのなかった人も、来ていただけるように新たなストレッチやボディメンテナンスプログラム(体調調整)を取り入れるところも増えてきています。クラブに来てストレッチ等の健康教室に参加してみていただいて、コロナ後に増えた健康体操やストレッチ、簡単な筋トレ等実施して見ていただくことで今までよりも、さらに敷居を低くして来館をしてもらうことに力をいれています。

このことは、とりもなおさず、『フィットネスクラブは最高レベルの安全性を確保している』ということを理解してもらうための行動であり、昨年のフィットネスクラブからクラスター発生したというイメージを払拭するための業界を挙げての努力だと思います。

 

当クラブでもチラシで、最高レベルの安全性をアピールしています。

フィットネスクラブがアピールしなければいけないポイント

  • パーソナル対応を大切にし、とにかく、来館を促す!!!
  • 最高レベルの安全性
  • 運動は、コロナ感染リスクを下げ、ワクチンの効きをよくする。
  • コロナ後に増えた簡単な健康体操、ストレッチ、手軽な筋トレを提供

積極的にクラブで運動を行うことで、免疫力が向上し、感染リスクを下げることができ、死亡リスクも低下させ、ワクチンの効きをよくすることができます。そのためには、フィットネスクラブは、最高レベルの安全を確保して、クラブでの運動は簡単で気軽にできる、楽しくコミュニケーションをとりながら、広く地域の健康づくりをサポートするクラブであることを周知することが大切です。

 

 

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