各クラブでは退会者を減らすために色々な取り組みを行っています。 前回退会者を予測することが大切だという記事を書きました。 退会者を減らすためには運動の促進の要因を意識させ、運動の阻害要因を取り除くことをする努力が必要です。運動促進を促すには、運動のメリットを感じてもらって継続的にフィットネスを行うとこんなにいいことがあるということを理解してもらったり、実際に効果を感じてもらわないといけません。
そのためには体験者に、実際に効果を口に出して感じてもらうトークを行うことが不可欠です。 例えば「このショルダーマシンを使うと体が柔らかくなり、肩がものすごく軽くなるんです。終了後降りたら肩や肩甲骨回りの軽さを十分に感じてくださいね」とマシーンを降りる時にお客様に意識してもらうことで実感させ、このエクササイズは必ずやらなければいけないと強く思っていただきます。
何も言わないと「こんなもんか」ということであまり意識しないと促進要因にはなりません。そのマシンの良さを体験の時に意識させることが重要です。お客様が口に出して意識することで 印象に残ります。
また、継続阻害要因は、定期的にカウンセリングすることで、お客様の状況を把握して、なにが阻害要因になっているかを予測します。①利用目的がはっきりしているか?②効果が出ているか。③スタッフがお客様の情報を十分把握しているか。④利用状況がすぐわかるようになっているか。⑤週間スケジュール等は決まっているかなどを確認することで個々人の状況が分かり、継続阻害要因が見えてきます。
また、フロントのスタッフの役割もとても大切です。
〔クラブスタッフにヒアリングすると、退会時スタッフが、会員からすんなりと退会届を受け取ってしまうということが多くみられ、中には電話での退会手続終了や退会時の対応がトラブルになるケースもあります。〕
具体的な対応としては、会員が退会届をもって来たら、まずは、クラブ側になにか不都合があったか否かを確認します。
以下会話例です。
「なにか、クラブ側の不手際はありましたか?」
「お客様のご不満を感じられるところはありましたか」
と、お客様の事情を尋ねて、そのうえで一度は引き留める努力が必要です。
「お客様の入会時のカウンセリングは誰が担当しましたか」
「せっかく、ご入会いただいて、少しづつ効果が見え始めてくる時期なのに、今退会されるのは非常にもったいない。せっかく、縁あって当クラブにいらしていただいたので、入会時の担当者と話していただいて、入会動機やその折の目標、なにが足りなかったか、これからどうすればいいのかなどを
是非、お話しさせてください。お手間は取らせません。」
と、再度入会時の事を思い起こして、担当者が記入したパーソナルプランニングカードを確認して
当時のフューチャーページや3か月後の素敵な自分を再度想像してもらい、もう一度頑張ろうという気持ちを起させます。そのうえで、より強力な別のプログラム〔例、スペシャルダイエットプログラムやダイエットモニターキャンペーン〕を提示して、そちらに再度、挑戦してもらうことで、リ・スタートをしていただきます。お客様は、一度はこのクラブで、素晴らしくシェイプアップした未来の自分を想像し、夢見て入会いただいたわけですから、そんなに簡単にあきらめてはいけない事を諭します。
当時のセルフイメージを呼び起こし、当クラブでの成功事例を数多く見せて、そのお客様と同じように途中でめげそうな方がたくさんいるんだけれども、ここで頑張れば、必ず、目標に到達できると信じて、私と一緒にがんばりましょうと、アピールすることが必要です。あくまでも、そのお客様のお役にたちたいということを前面に打ち出して、会話を進めていく事で、退会を思いとどまる方も、数多くいらっしゃいますから、お客様ととことん話をするのも、非常に大切なことだと思います。
退会予備軍のお客様に対して、担当者を2人準備する。〔ダブルストッパー〕
『退会届が出てきそうな会員に対しての対応』
- 一度で、退会届を受理するのではなく、まずはなんでも、相談してくださいと
お話しする時間を取って、入会時の担当者が話す
- そのうえで、どうしても、意志が固い場合には、退会手続として、マネージャー(店長)とお話ししていただく事になっていると言って、マネージャーに引き継ぐ。
〔責任者が不在の場合、別の日に再度、来館していただく〕
担当者 トーク
PPCを出してきて、それを見返しながら、
「入会時は、五キロ痩せることに目標をおいていましたね。現在まで、三キロは減っているので、後ニキロです。せっかくここまで頑張って来たのに今やめるのはもったいです。」
「お客様と、同じようなお年の〇〇さん、途中でめげそうになられたのですが、頑張って続ける事ができたので、現在では、十キロ近くダイエットになりました。」
「体の膝の不調をおっしゃっていた、△△さん、VRCを試されたら、膝が温かくなったとおっしゃって、継続的にご利用になり、今では、山登りもできるようになったといっておられます。」
「このところ、お忙しいようで、なかなかご利用になられていないようですね。せっかく、入会されて、月曜と水曜をフィットネスディに決めていただいたのですから、週一日、1回30分でいいので、何とかお時間をいただけませんか。私が責任もって、サポートします。あと、1か月は、続けてみませんか」
「お友達の□□さんも、頑張って、来られていますよ。あの方も、なかなかお忙しいようですが、金曜日は、疲れを取りに、マッサージに来られていますよ」
責任者のトーク
「当クラブでは、お客様のような方が、多くいらっしゃいます。もう少しで、目標まで届くのに、後一歩の所で諦めてしまうお客様。今頑張ることで、また、やる気が繋がります。入会から、一年間は、どうしても、まだ、習慣かできてないので仕事やいえのことが、入ってきて、落ち着きません。今頑張って続けることで、後から、あのとき頑張って続けてよかったと必ず思います。」
「確かに、お仕事の都合も、あると思います。最近は、健康経営という言葉が、経団連から発表され、仕事と健康を両立することが、最も大切だと経団連でも言っています。短い時間でもいいので、ここで合間にボデイメンテナンスを行うとかえって、効率が上がって仕事もはかどりますよ。」
「今回、全く新しいプログラムのパッシブ+VRC=筋力アップとアンチエイジング、がスタートします。是非、一度、体験してみてください。今回、特別にチケットをご用意しましたので、これを使ってお試しください」
話につまったら、「い」「し」「き」「か」「く」「す」 の内容を尋ねて、
「い」 ・・・・家の都合、 家事が忙しく、なったという事ですが、以前言っておられた、ご両親の介護の時間が増えたという事ですか。
「し」 ・・・・仕事、仕事が、忙しくなったという事ですが、以前言っておられた、〇〇曜日のパートが、他の曜日にも、増えましたか。
「き」 ・・・・季節、寒くなって(暑くなって)、外に出ることが億劫ですか。
「か」 ・・・・身体の調子、 体の調子はいかがですか。
いい場合・・・目標に向けて再度頑張る、 悪い場合・・・ボディメンテナンスやVRCをPRして体験してもらう、マッサージやVRCチケットを渡す。
「く」 ・・・・クラブの不手際、 なにか、クラブ側の不手際や、ご気分を害れたことはありますか。
「す」 ・・・・スケジュールが、合わなくなりましたか。来月から、サーキットの時間も少し変わりますから、そちらを利用されてはいかがですか。
と、一度目は、入会時の担当者が、話す。それでもだめなら、店長と話していただくことになっていると言って、
立場を変えて、詳しく話をします。入会時に、いろいろ聞き出していれば、きっと続けられる糸口が見えてくるはずです。
このシステムを取り入れることで、月に2~3人でも、退会を思いとどまっていただければ、年間で30~40人の差が出てきます。